大判例

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大阪地方裁判所 昭和31年(ワ)4569号 判決

被告は原告主張の本件約束手形振出の事実を否認するのであるが、原告提出にかかる甲第一号証を見るに、原告主張の本件約束手形は振出人欄に被告大同石油株式会社取締役社長の肩書を付し伊藤精七の記名捺印と会社印の押捺あり、その他原告主張の如き手形要件の記載があつて形式上完備していることが認められる。而して証拠によると、伊藤精七は昭和三〇年八月二六日被告会社代表取締役に就任し、同年九月九日その登記を了し、昭和三一年一月三一日右辞任し即日その登記を了したことが認められるから、同人は昭和三〇年一一月二日本件手形記載の振出日当時被告会社代表者として在任していたことが明らかである。然らば、本件手形はその外観上被告会社の代表権限ある取締役が会社のためにすることを示して振出した形式が整つている以上、反証なき限り真実代表権限あるものがその権限に基き振出したものと認むべきを相当とする。右認定を妨ぐべき証拠については被告は何等提出するところがない。

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